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いのちの木

いのちの木

コミッションワーク

福島県郡山市「かぐいけ坂の保育園」 階段の踊り場

2022年

素材 | 和紙に郡山市香久池周辺の土、水溶性樹脂

サイズ | 約3m×4m

シリーズ | 生きてきた証

撮影 | 作家

いのちの木は、「かぐいけ坂の保育園」ができる前のこの場所で受け継がれてきた自然と人のいのちの歩みをテーマにしています。

保育園があるこの香久池は、かつては香久山がありました。人の生活の変化と共に風景も変わりましたが、何億年前からそこには”土”がありました。新しい土地の”土”も含めて、いつでもみんなの歩みと共に存在してきました。そんなストーリーを持った11種類の土で、この絵は描かれています。

保育園を建ててくれた土屋病院の土屋家の※おじいさんは昔、材木商を営んでいて郡山の土地をいくつか所有し、ここに生えていた沢山の木を販売していました。やがてそこに病院を建てることになり、この保育園もその上に建っています。またここの木は、誰かの家になったり薪や桶になったり、その時代のみんなの生活を支えました。

ここの保育園に集まる未来明るい子供たちには、ここでおきた昔の事は現在や未来に続いていることを感じてもらうきっかけとして、この場所にかつて生えていた木をイメージしました。根っこが昔の人の歩みの様にどっしりと茂り立ち、天に向かって大きな木の枝の様に伸び伸びと育ってくれることを願っています。

※ 土屋繁八 氏(医療法人慈繁会創始者 土屋繁一の父)

制作プロセス

私の制作は、周辺エリアのリサーチから始まります。

リサーチをするとその土地ならではの発見があり、そこから絵のモチーフを見つけたるなどインスピレーションを得ることができるので私にとって、とても大事な作業です。

土の採取

制作にあたり、保育園周辺と土屋病院に関わる場所を歩きながらリサーチし、土を採取しました。

「かぐいけ坂の保育園」ができる前の工事風景。
園の下の土も使用しました。

絵の具作り

採取した土に水と水溶性樹脂を混ぜ合わせて、絵の具にしていきます。

制作風景

作業の9割は床に置いて絵を仕上げていきます。

仕上げ作業

設置後に現場で仕上げの作業をしました。木がどんどんと伸びる様な表現は、現地の建物からインスピレーションを頂きながら描きました。